トーナメントの不戦勝とは?シードとの違い
不戦勝は、相手が試合に出られず、試合をしないで勝ちが決まることです。似た言葉に、シードがあります。どちらも、試合をしないで次の回戦に進みますが、決まる時期が違います。
- シード:組み合わせを作るときから、1回戦を免除された位置です。チーム数が2の累乗でないと、必ず出ます。
- 不戦勝:棄権・辞退・遅刻などで、相手が出られなくなった結果です。
表の形は、どちらも「1回戦の線がない」ように見えます。そのため、シードと不戦勝を、表に区別して書くと、あとで混乱しません。シードの数と位置は、トーナメントのシードの位置と決め方で計算しています。
トーナメントの不戦勝の求め方:枠の数−チーム数と、辞退で変わる数
最初から決まっている不戦勝(空欄)の数は、「枠の数−チーム数」です。枠の数は、チーム数以上になる、いちばん小さい2の累乗(4・8・16)です。9チームなら枠は16で、空欄は7つです。
1チームが辞退して、残りのチーム数で組み直すと、空欄と1回戦の数が変わります。次の表は、5〜16チームで辞退が1つ出たときの比べです。
| もとの チーム数 | もとの 空欄 | 組み直し後 の空欄 | もとの 1回戦 | 組み直し後 の1回戦 | 実施する 試合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5チーム | 3 | なし | 1 | 2 | 3 |
| 6チーム | 2 | 3 | 2 | 1 | 4 |
| 7チーム | 1 | 2 | 3 | 2 | 5 |
| 8チーム | なし | 1 | 4 | 3 | 6 |
| 9チーム | 7 | なし | 1 | 4 | 7 |
| 10チーム | 6 | 7 | 2 | 1 | 8 |
| 11チーム | 5 | 6 | 3 | 2 | 9 |
| 12チーム | 4 | 5 | 4 | 3 | 10 |
| 13チーム | 3 | 4 | 5 | 4 | 11 |
| 14チーム | 2 | 3 | 6 | 5 | 12 |
| 15チーム | 1 | 2 | 7 | 6 | 13 |
| 16チーム | なし | 1 | 8 | 7 | 14 |
「実施する試合」は、組み直しても、そのままでも、「もとのチーム数−2」試合です。1チームが減ると、試合が1つ減るためです。表を変える影響が大きいのは、9チームが8チームになる場合です。空欄は7つから0つに減り、1回戦は1試合から4試合に増えます。すでに配った表と、別物になります。
トーナメントの不戦勝と辞退:時期別の組み直し方の目安
辞退が出た時期が、表を組み直すかどうかの基準になります。次は目安です。実際には、要項に書いてあれば、要項が先です。
- 抽選の前:参加チーム数を数え直して、組み合わせを作ります。不戦勝は出ません。
- 抽選のあと、表を配る前:表の空いた枠を、不戦勝にして進めます。くじを引き直すのは、抽選に立ち会った人が納得するときだけにします。
- 表を配ったあと、試合の前:組み合わせは変えません。辞退したチームの相手を、不戦勝にします。組み直すと、配った表と食い違います。
- 当日の遅刻・欠席:開始予定の時刻から、決めた時間を待ちます。それでもそろわないときは、不戦勝にします。待つ時間は、要項に書いておきます。
- 試合の途中での棄権:その試合の扱い(何対何で数えるか)を、要項で決めます。リーグ戦の勝ち点への影響は、リーグ戦の順位の決め方の、当日に困ることの節にあります。
補欠のチームがいる大会では、辞退した枠に補欠を入れる方法もあります。補欠を入れるときは、抽選の前に決めた順を守ります。
トーナメントの不戦勝の書き方:表と記録のつけ方
トーナメント表には、不戦勝の試合の勝ち上がり線に「不戦勝」と書きます。次の回戦の枠には、勝ち上がったチーム名を書き写します。試合は行っていないので、スコア欄は空けるか、「―」を入れます。
- 表:辞退したチームの名前は、消さずに残し、横に「辞退」と書くと、あとから経緯が分かります。
- 記録:試合の記録には、「不戦勝」と書き、得点は書きません。得点を入れる大会では、何対何と数えるかを、要項で決めます。
- リーグ戦の予選がある大会:得失点差に入れるかどうかで、順位が変わることがあります。
参考までに、社会人野球の日本野球連盟の取扱要領は、辞退したチームとの試合を、不戦勝1−0として数えると定めています。少年野球の規定ではありません。少年大会では、主催者の要項で決めます。
トーナメントの不戦勝を要項に書く文例
当日の迷いを減らすには、要項に、不戦勝の条件と扱いを先に書いておきます。次の文例の数字は、大会に合わせて変えてください。
要項の文例(不戦勝)約230字。待つ時間と締め切りは、大会に合わせて変える
【不戦勝の扱い】 1. 試合開始予定の時刻から15分たってもチームがそろわないときは、そのチームの不戦敗とし、相手チームの不戦勝とする。 2. 不戦勝の試合の得点は、記録しない。トーナメント表には「不戦勝」と書く。 3. 組み合わせ抽選の前に辞退したチームがあるときは、参加チーム数を数え直して、組み合わせを作る。 4. 組み合わせ抽選のあとに辞退したチームがあるときは、組み合わせは変えず、相手チームの不戦勝とする。 5. 辞退の連絡は、大会の前日の18時までに、本部へ電話で行う。
辞退の締め切りは、表を配る前に置くと、組み直しの手間を減らせます。表の作り方はトーナメント表の作り方、棄権が出て試合数が減ったときの時間割は大会のタイムスケジュールの作り方が参考になります。